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インタビュー:角谷紀章 | Kisho Kakutani 【 アートフェア東京 2023 出展アーティスト 】



■over view


すりガラスのような、ぼやけた視界の向こう側に、一体何が見えるだろうか。

角谷にとって美術作品は、言葉のようなもの、だという。自身の作品を通して、何をどう伝えるか。そう考えたとき、いっそ何も説明せず、曖昧なまま提示することで生まれる可能性に思い至った。鑑賞者一人ひとりの中にある記憶やイメージ、思想から、それぞれの解釈がリアリティを持ち、やがて作家自身のイメージを超えて鑑賞者の中に残っていく面白さがあるのでは。そうして生まれたのが、「Frosted Window」シリーズと「Curtain」シリーズである。





■interview



──ご自身の創作のテーマや、制作の手法について教えてください


「Frosted Window」シリーズは、画面の真ん中に描かれることの多い"絵画の主題"が見えづらく、一方で「Curtain」シリーズは、主題は見えているものの、その周りの世界がぼやけています。正反対に見えて実はどちらも、作品の外側にイメージが広がっていくような意図があります。


描く時に参考にするのは、スマートフォンで撮影した写真データです。日常から旅先まで、絵を描くためというより記録のために撮影していますが、後から見返して、確かに自分で撮影したのに初めて目にしたような風景を、また、どこか特定の場所ではなく、誰もが目にしたことがあるような風景をイメージします。


制作では、ぼやけている部分を先に描き、その後にクリアな風景の部分を、よりリアルに、コントラストをつけるように、アクリル絵具で描写します。元々、和紙に岩絵具で描く日本画を学んでいましたが、綿の布にアクリル絵具で描くなど、描きたい表現に合わせて画材や描き方を模索し続けています。自分自身はジャンルやカテゴリが変化している意識はなく、ずっと絵画を描き続けている感覚ですね。




──アートフェア東京2023での展示について教えてください


実は「Frosted Window」シリーズの1作目も、今回展示している100号サイズでした。100号3作目となった新作は、いま現在の自分の最良を目指して仕上げています。大きなサイズの作品を描いていると、まるでその作品世界に入り込んだ感覚になれて単純に楽しいですし、きっとご覧になる方にも、実景に近い感覚を味わっていただけるでしょう。




──最後に、今後の活動について聞かせてください


これからももっと、作品一つひとつのクオリティを高められるように描き続け、新たなシリーズの構想へと繋げていけたら、と考えています。4月下旬から5月の予定で、BAG-Brillia Art Gallery(京橋)でグループ展を、9月頃には四季彩舎で個展を開催予定ですので、ぜひお運びください。



 

■bio

1993年

兵庫県神戸市生まれ


2022年

東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻日本画修了 博士号(美術)取得

現在、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻教育研究助手



■cv

2021年 FACE2021 / SOMPO美術館 2021年 A-TOM ART AWARD / コートヤードHIROO 2021年 第30回佐藤美術館奨学生展 / 佐藤美術館 2022年 DRIVE UP! / WHAT CAFE 2022年 F/ART / Hotel粋sui / 四季彩舎 2022年 角谷紀章×田尻周也 / 四季彩舎 2022年 ART FAIR ASIA FUKUOKA2022 / ホテルオークラ福岡 / 四季彩舎 2022年 Art in Tokyo YNK / 東京スクエアガーデン/ 四季彩舎 2022年 WHAT CAFE EXHIBITION Vol.22 / WHAT CAFE 2023年 ONE ART TAIPEI 2023/ 四季彩舎

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