TOKYO CONTEMPORARY KYOBASHI は東京建物株式会社と共同で、複合オフィスビル「東京スクエアガーデン」にて、現代アート展『Art in Tokyo YNK』(トウキョウ インク=八重洲・日本橋・京橋)。
2021年11月の第一回、2022年4月の第二回に続き10月31日(月)から12月2日(月)まで3回目となる『Art in Tokyo YNK』を開催します。
今回の展示テーマは「Diversity =多様性」。
絵画、立体作品といったジャンルから油彩、日本画、鉛筆やペン画など素材の違いまで幅広く紹介します。
2020年のコロナ感染症拡大・自粛期間のうちに、ふと思い立ち手元にあったペンで模様を描き始めた板谷うた。それがアーティストとしての起動初日となりました。
黒い顔料インクがペンで運ばれて姿を表す線のひとつずつが、まるで細胞のように画面のなかで形をなし、うごめき、生命を吹き込まれたように存在を主張して見るものを圧倒します。
細密画、ペン画のジャンルで異才はすでに数多く活躍していますが、具象を離れた抽象感覚、内なるエモーションと無意識の世界を融合させることで他にない独自性を見せながら日々成長しつつあり、様々な美術関係者に着目されるようになっています。モノクロなのに彩りを印象づけ、また平面なのに奥行きや動きを感じさせる板谷氏のペン画世界のこれからが大きく期待されています。
井上 魁は砥部焼の産地である愛媛県に生まれ、幼少期より焼き物のあるまちで育ちました。
その後、学生時代にダンスと出会い、ストリートカルチャーに興味を持ちます。
陶という素材をもって、グラフィティやダンスなどのストリートカルチャーが持つ身体的なエネルギーや刹那的な衝動を造形として表出させる試みを行っています。
また、陶芸の技法や釉薬などを積層させることで、ストリートカルチャーが持つレイヤーの重なりや時間の流れを表現している。
流行やライフスタイルが急速に変化していく現代社会において、自分が生きてきた「今」という時代を不変の素材である陶に落とし込み、形として残すことで時代の痕跡として作品を提示しています。
岡本順子は物質の力強い重量感や繊細な線の美しさなどの感覚や遺跡や古い家具など、時の経過と共に 味わい深く風化していく「経年」が作品制作のコンセプトとなっています。
漆喰を塗り重ね、幾度も染料を染み込ませることによる、質感の重厚感により観るものを魅力します。
また、力強く繊細な線を活かし、描いたり消したりを繰りを返し描く鉛筆の作品は、痕跡を積み重ね独特の風合いや強さを感じさせます。
角谷紀章は作品を通して、他者に想像させることをコンセプトに制作しています。 すりガラス越しの景色からイメージした「Frosted Window」シリーズでは、画面中央に鑑賞者の視知覚を妨げるノイズを配置し、ノイズ越しの景色を想像させることで絵画世界に没入を促しています。
すりガラス部分の景色はスマートフォンで撮影したスナップ写真をモチーフとし、撮影した際のボケ・ブレ感に着想を得ています。
スナップ写真を基にし、基底材の綿布にインクを染み込ませて描いていた作品は、一見、後からぼかしているようにも見えますが、全て制作の段階でノイズ部分含め描いているのです。 水を多用する事により偶発的な表情が生まれ、周りの風景は すりガラス内の景色に合わせて、周りの景色をイメージし、後から岩絵具で描いて表現しています。
田尻周也は人という存在の抽象性をテーマに制作しています。
都内で生まれ育った田尻の目には人々が無機質に流動しているように幼少期の頃から映っていたといいます。
彼は自身の精神性を群像を使い表現し、描かれた群像は鑑賞者を容易に受け入れません。
作品に、あたかも「人」と対峙したかのような不安感と好奇心を含ませることで、絵画との間に一定の緊張感を保ち、作品を通して、人と絵画の在り方の抽象性について再認識をするいう試みをしています。
HILO NAKATSUGAWAは宝石や鉱物のさまざまな模様や色彩から風景画の要素を見出して描いています。
結晶が導く光の情景 Impression シリーズでは作家が育った信州の景色や、西洋と東洋の美術史を参照しながら森や水面、山などのモチーフを描いています。
結晶のストライプからは異なる時間軸の景色が映り込み、印象派の理論に基づき光や自然の表情の変化も同時に描かれています。
宝石のもつ運動性を伴った光の表情と、自然の中で刻々と変化していく山や海、水面の景色が絵画を通じて重なっていきます。
さまざまな時間帯の風景を描いたモネや、多視点を生み出したピカソの文脈と日本美術等も引用しつつ、宝石の世界と独自の視点で結びつけた現代絵画へと昇華させています。
今回出展する6名のアーティストはいずれも作品の技法や素材、テクスチャーが異なります。
現代社会において多様性が求められる中、アートの世界においても多様性が求められています。
表現方法の異なるアーティスト達の多様性をお楽しみください。
Art in Tokyo YNK
東京街人
[展示概要]
Art in Tokyo YNK
会期: 2022年10月31日(月)-12月2日(金)
*土日祝は閉場 時間: 10:00-19:00
会場: 東京スクエアガーデン 1F オフィスエントランスホール
共催:東京建物株式会社、TOKYO CONTEMPORARY KYOBASHI
協力:東京スクエアガーデン、四季彩舎、TOMOHIKO YOSHINO GALLERY
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