会期:2023.9.8 Fri. - 22 Fri.
時間:12:00 - 18:00 日月祝 休
会場:四季彩舎
この度、四季彩舎では角谷紀章の個展「媒介であり防護壁」を開催いたします。
自身、初個展となる本展では、画面の中心がすりガラスで隠されたようなFrosted Windowシリーズ、カーテンの隙間から景色を覗くようなCurtainシリーズに加え、新たな視点から生まれた作品「Split image」を展示いたします。
角谷紀章の作品は、景色を見えづらく描くことで、鑑賞者に解釈の余地を与え、その個々の想像力と共感を引き出す試みを通じて、リアリティある風景を再構築します。
彼の創作は自身の経験や観念を深く掘り下げる行為であり、「ノイズ」で隠された作品は他者との共感を促進する媒体として機能します。
同時に、見えづらいイメージを通じて他者との共鳴を模索する背後には、自己と世界との間に存在するノイズから生じる安心感が角谷によって表現されています。
新作「Split image」では、景色の断片を切り取って描くことで、本来存在しないはずの空間を提示しています。透明感あふれる余白は、景色をつないでいるようでもあり、隔てているようにも見え、新たな解釈の余地を鑑賞者に委ねています。
敢えて景色にノイズを入れ描くことで、作品の解釈を鑑賞者に委ね、想像させることを通して誰しもにリアリティある景色を立ち上げようと試みる本展。
日常にあるありふれた景色が、隠されることで生まれる世界をお楽しみいただければ幸いです。
"「媒介と防護壁」という言葉は、私の博士論文の終章で自身の制作と作品について述べた際に用いた言葉となります。
私にとって、制作そのものは、自身の経験や観念、周囲の世界などと繋がるための媒体であり、生まれる作品もまた鑑賞者とリアリティを共有するための媒体と考えています。
しかし、ノイズを通じた表現を含め、制作や作品を通じた間接的な繋がりを求めることは、自分以外の何かに無防備に晒されることへの不安から生じるのではないかとも考えるようになりました。
私にとって、「表現」「制作」「作品」は媒介であり、同時に防護壁でもあり、自分とそれ以外の全てのものとの間にある境界的な要素なのです。"
角谷紀章
本展覧会は銀座 蔦屋書店でも同時期に開催いたします。
銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前2023年09月02日(土) - 09月15日(金)
角谷紀章 ”媒介であり防護壁”
2023年9月8日(金)ー9月22日(金)
12:00-18:00
日曜、月曜 、祝日休廊
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