作品を通して、他者に想像させることをコンセプトに制作している角谷紀章。
すりガラス越しの景色からイメージした「Frosted Window」シリーズでは、画面中央に鑑賞者の視知覚を妨げるノイズを配置し、ノイズ越しの景色を想像させることで絵画世界に没入を促している。
すりガラス部分の景色はスマートフォンで撮影したスナップ写真をモチーフとし、撮影した際のボケ・ブレ感に着想を得ている。
スナップ写真を基にし、基底材の綿布にインクを染み込ませて描いていた作品は、一見、後からぼかしているようにも見えるが全て制作の段階でノイズ部分含め描いている。
水を多用し、偶発的な表情が生まれるため、周りの風景は すりガラス内の景色に合わせて、周りの景色をイメージし、後から岩絵具で描いている。
田尻周也は人という存在の抽象性をテーマに制作している。
都内で生まれ育った田尻の目には人々が無機質に流動しているように幼少期の頃から映っていたという。
群像というモチーフは彼の精神性を表現しているが、鑑賞者を容易に受け入れない。
作品に、あたかも「人」と対峙したかのような不安感と好奇心を含ませることで、絵画との間に一定の緊張感を保ち、作品を通して、人と絵画の在り方の抽象性について再認識をするいう試みをしている。
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角谷紀章 × 田尻周也
2022年7月7日(木)ー16日(土)
12:00-18:30
土曜日〜17:30
日曜休
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